【遺産分割】被相続人と居住していた相続人(依頼者)が、円満に自宅の相続をすることに成功した事例
事案の概要
*本事案は、相続法改正前の事案です。
被相続人と、被相続人との共有名義である不動産に居住していた相続人である相談者様は、自宅を相続して円満に解決したいと考えて、他の相続人にお手紙を出しました。
しかし、一部疎遠であった相続人(以下「Bさん」といいます。)が弁護士を立てて、細かい要求を始めたため困惑してしまい、どのように進めればよいのか、弊所がご相談を受け、そのまま対応のご依頼をいただきました。
解決までの流れ
基本的な方針として、まず円満に解決したいと考えていると推測される、Bさん以外の相続人の方々と先に協議を進め、これらの相続人からは、相続分の譲渡を受け、あるいは大幅に相続分を譲歩して円満に解決したいとの内諾ないし書面の取り交わしを行いました。
その後、Bさんと協議を進めました。
相手方は、不動産の価値に関して高額な査定書を提出し、不動産を当方が取得する代わりに、高額な代償金を支払うように求めてきました。
そこで、弊所が信頼できる不動産業者とも相談し、自宅が古く、瑕疵があることなどを現地確認して具体的な報告書を作成し、説明することで、大幅な不動産価格の減価を認めさせました。
また、相手方に対しては、無理な主張に固執される場合には、協議を打ち切り、裁判所での解決をいとわない姿勢を示していたことで、相手方も最終的に当方から提案した内容をほぼ受け入れる形で合意をすることができました。
解決までのポイント
1. 争いの少ないと思われる相続人から協議を進めることで、問題のある相続人に絞って協議ができた
2. 不動産の代償金について、具体的な現況を主張することで、実態に合った代償金まで減額することができた
3. 無理な要求については応じない姿勢を貫いたことでかえって解決を早めることができた