Q&A 賃借権を設定する方法による遺産分割

Q&A

 

質問

遺産分割の方法として、遺産分割審判手続において、相続人の一部のために、遺産である不動産を目的物とする賃借権を設定する方法による遺産分割は可能でしょうか。

 

回答

遺産分割の方法として、対象となる遺産に、新たに使用借権や賃借権といった用益権を設定し、相続人の一部に取得させる方法により遺産分割をすることができるかどうかついては、審判例においても、肯定する見解と否定する見解に分かれています。
肯定した審判例としては、主たる遺産が宅地1筆とその上の建物1棟及び附属建物のみであった場合に、代償分割による方法も現物分割による方法も不可能であることから、宅地と建物を各相続人に別々に取得させた上で、宅地につき建物所有を目的とする賃借権を設定し、賃借期間と賃料を審判により定めたものがあります。
なお、相続開始時に被相続人の遺産である建物に居住していた配偶者については、新民法1028条により、「配偶者居住権」を所得することが可能となりましたので、これを利用することも考えられます

 

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