Q&A 共同相続人が遺産を開示してくれない場合
質問
父が死亡し、私と兄が相続人になりましたが、兄は、父の通帳や株に関する資料などをすべて持って行ってしまい、開示に応じてくれません。私の方で、父の金融資産を調べることはできないのでしょうか。
回答
預貯金に関しては、金融機関と支店名を把握している場合には、相続人が当該金融機関に照会をかけることで、被相続人の死亡時点の残高を調査できることがほとんどです。
その際は、被相続人が死亡したことの記載がある戸籍、自分が相続人であることがわかる戸籍や身分証明書等が必要となりますが、各金融機関によって、必要書類は異なりますので、窓口に行く前に、電話で問い合わせをしておいた方がよいでしょう。
なお、残高証明書だけでなく、取引明細書(入出金の履歴)も併せて申請することも可能です。取引明細書の記載から、別の遺産が発見されることもありますので、こちらも取得しておいた方がよいでしょう。
金融機関名や支店名を把握していない場合には、被相続人の生活範囲の金融機関や各種支払先(例えば、家賃の引き落とし口座等)を調査していくことになるでしょう。
また、弁護士に依頼した場合には、弁護士が、弁護士法23条の2に基づき、金融機関に照会をかけたり、裁判所を通して調査嘱託という手続を行い、調査することも可能です。