Q&A 自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらがよいか

Q&A

 

質問

遺言書を作成したいと思っていますが、自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらで作成すべきでしょうか。

 

回答

相続人間に争いが生じることを避けたいのであれば、公正証書遺言をお勧めします。
自筆証書遺言は、単独で作成できる、費用がかからない等の点でメリットがありますが、その反面、自署の要件を満たさない場合等に、遺言書として認められなくなるリスクがあります。 また、紛失や、他人による遺棄、隠匿、変造の危険がありますし、被相続人の死亡後には、検認の手続を経なければならないという手間も出てしまいます。
もっとも問題なのが、遺言によって不利益を被る相続人が、「その遺言は、遺言者の意思で作成されたものではない」と主張する可能性があることです。特に遺言者が高齢の場合などは、認知症等による、遺言作成能力の欠如の疑いがあるなどして、相続人間で遺言書の有効性を争う事態に発展する場合があります。 この点、公正証書遺言は、費用の負担があるものの、公証人が遺言者の意思を確認した上で作成しますので、相続人がその有効性を争うことは、非常に困難になります。
また、公正証書の原本は、公証役場に保管されますので、紛失、遺棄等の心配はまずありません(もっとも、2020年7月10日から自筆証書遺言も法務局で保管することができるようになったので、紛失のリスクは軽減されています。)。
したがって、可能な限り将来の紛争を避けるためには、公正証書遺言の方法を取るべきと考えます。

 

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