【遺産分割】相続欠格確認の訴えを提起し、この訴訟の中で事実上遺産分割を成立させた事案

事案

被相続人
相続人 被相続人の子3人
相談者 長男

 

 被相続人は、当事務所の相談者(X)と同居をしていた母親、相続人は、相談者Xを含む、被相続人の子3名でした。
 Xは、同居をしていた母親が亡くなり、Xを含めた兄弟姉妹3人で相続をすることになりましたが、相続人のうちの一人(Y)が、Xを相続から排除する内容の遺言があると主張し、代理人弁護士を付けてその遺言書の検認の手続を申し立てたことから、当事務所に相談にみえました。

 

解決に至るまで

 Xによれば、検認された遺言書は母が書いたものではなないとのことでしたので、当事務所がXを代理してY他の相続人を相手に遺言無効確認の訴訟を提起し勝訴しました。
 この訴訟によってXを排除する内容の遺言書は無効であることが確定したので、改めて平等に分割しようとYに協議を申し入れましたが、「Xが母の生前に巨額の使途不明金を出した」あるいは「被相続人のお金を使い込んだ」などと主張したため、協議での分割は難しい状況になりました。
 通常であればこのような場合には遺産分割の調停を申し立てることになりますが、無効とされた遺言を持ち出した相続人Yが分割の障害となっていたことは明らかだったので、この障害となっている相続人Yに対する相続欠格確認の訴えを提起することにしました。第1審ではXの主張がすべて認められ、Yには欠格事由があるとの判断がでましたが、Yは、高等裁判所に控訴してきました。
 高裁では担当裁判官のYへの強い働きかけもあって、Xが希望していたとおり、ほぼ法定相続分通りに分割するという内容での和解が成立し、遺産分割を行うことができました。

 

解決のポイント

1. 遺産を巡る紛争にも様々な形態があるので遺産分割調停ではなく民事訴訟を提起することが有効な解決手段となることがある。

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