【遺言】法定相続人が存在しない方について、遺言を作成した事例
事案の概要
相談者 | 70代男性 |
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ご自身の死後、ご自身の遺産を法律に従って、法定相続人ではない親戚の方に取得させるための遺言書作成の依頼を受けました。
相談者の相談当時の家族構成は、配偶者妻のみで、配偶者との間に子どもはいませんでした。
また、相談者の尊属および兄弟姉妹もおらず、唯一の相続人である配偶者妻は病に伏している状態でした。
配偶者妻は既に遺言を作成しており、その遺言によれば、配偶者妻が所有している財産の一切は、その死後、相談者に移転するということになっていました。
そこで、相談者が配偶者より先に亡くなってしまった場合に生じうる財産の帰属についての法的問題に備え、相談者は遺言を作成することにしました。
解決に至るまで
当事務所による事件受任後、相談者(依頼者)の財産(不動産、預貯金及び保険等)を調査し、また、関係戸籍謄本等の取得により、配偶者妻以外に法定相続人が存在しないことも調査しました。
そして、調査して判明した財産の内容をもとに、生前世話になった相談者(依頼者)の配偶者妻の甥及び姪ら(以下「甥ら」といいます。)に対し、各自平等の割合で財産を取得させたいとの相談者(依頼者)のご希望に沿って、公正証書遺言書を作成しました。
また、甥らが相談者(依頼者)よりも先に亡くなってしまった場合は、甥らの相続人に対し、財産が適法に移転することも合わせてご希望されておりましたので、その点も考慮し、補充遺贈(補充遺贈とは、当初予定された受遺者が遺贈を受けえない事情が生じた場合に備え、次順位の受遺者を予定する遺贈のことをいいます。)という方法による遺言書を作成致しました。
なお、ご自身の死亡後の財産の移転手続について、その法的安定性を確保するため、遺言執行者には当事務所の弁護士を指定しました。
解決のポイント
1. 相談者(依頼者)ご本人の希望のとおり、死後、生前所有していた財産が、法定相続人でない親戚の方に適法に移転するよう手続を行いました。
2. 事件受任後、財産や相続人の調査をスムーズに行い、また、弁護士が介入することで、確実かつ法的に有効な遺言書を作成することができました。