【遺産分割】法定相続分以上の財産を取得することに成功した案件事例
事案の概要
依頼者:越谷市在住の60代男性
依頼者は、1年ほど前に亡くなられた母の遺産分割についてご相談にいらっしゃいました。
母の相続人は、依頼者及びその兄妹のみです。
この点、依頼者の父が20年以上前に亡くなった際、父の遺産について遺産分割協議を行いましたが、その際、相続人らの間では、母が亡くなった場合には、父から母に相続された不動産の大部分を依頼者が取得する旨の取り決めをしていました。
そして、いざ母が亡くなり、母の遺産について遺産分割についての協議を行うこととなりました。相談者としては当然ながら、自身が母の有していた不動産の大部分を自身が取得できるものと考えていましたが、他の相続人は法定相続分どおりに分割するべきだと主張し、協議は決裂してしまいました。
その後、依頼者以外の相続人が弁護士に依頼し、遺産分割についての調停を申し立てたため、依頼者が相談に来られたという経緯です。
解決に至るまで
被相続人が死亡する以前に行われた遺産分割協議は無効とされる可能性が高いため、調停では、父の遺産分割協議後に行われた協議の経緯、財産の管理状況、被相続人の言動などを細かく主張し、本件では、被相続人から相談者に対して生前贈与がなされたものであると主張し、依頼者が被相続人の所有する不動産の大部分を取得すべきであることを主張しました。
その結果、調停では、依頼者がある程度の代償金を支払うことで、法定相続分を大きく上回る遺産を取得する内容での和解をまとめることができました。
解決のポイント
1. 本件では、被相続人の生前に行われた遺産分割協議と考えると無効であると判断される可能性が高かったのですが、他に採り得る法律構成を主張し、粘り強く交渉したことで、依頼者に有利な内容での解決を実現することができました。